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低用量ピルの種類一覧と選び方!世代別の違いと目的別おすすめを解説

ピル処方

低用量ピルは避妊のための薬というイメージが強いですが、実際にはニキビやPMS、生理痛の緩和など、さまざまな目的で使用されています。
種類によって配合されているホルモンには違いがあり、作用の特徴や副作用の出方に差があります。

自分にあった種類を選ぶには、何のためにピルを服用するのか、まずは目的をはっきりさせることが大切です。
また、ピルは長期服用が前提のものなので、費用や副作用リスクなど、継続時の懸念になりそうなポイントも洗い出しておきましょう。

目的や体質、ライフスタイルにあった種類が選択できるよう、低用量ピルの種類一覧とその違い、目的別のおすすめのピルをまとめています。

低用量ピルの種類を一覧で比較!世代・成分・目的まとめ

低用量ピルの世代別の特徴

低用量ピルの種類は多くの種類が存在しますが、違いの中心は配合されている黄体ホルモン(プロゲスチン)です。
黄体ホルモンの種類によって世代が分かれ、避妊重視・ニキビ対策・PMS治療など、向いている目的が変わります。

まずは世代・成分・代表薬を一覧で比較し、低用量ピルとはそもそもどれくらいの種類があるのか、種類ごとにどのような作用を期待できるのか、ざっくり把握しておきましょう。

世代別の種類一覧(第1〜第4世代)

低用量ピルの種類一覧
世代 主な黄体ホルモン 代表的な薬剤 主な特徴 現在の主流
第1世代 ノルエチステロン オーソM/シンフェーズ 初期に承認されたタイプ。現在は処方数は限定的。
第2世代 レボノルゲストレル トリキュラー/アンジュ/ラベルフィーユ 避妊効果の実績が豊富で安定性を重視する人に選ばれやすい。
第3世代 デソゲストレル マーベロン/ファボワール 男性ホルモン様作用が比較的弱く、ニキビが気になる人に検討される。
第4世代 ドロスピレノン ヤーズ/ヤーズフレックス/ジェミーナ PMSや月経困難症の治療目的で用いられることが多い。

世代は開発順による分類ですが、新しい世代ほど優れているという意味ではなく、体質や目的によって適した種類は異なります。

成分(黄体ホルモン)の違いによる種類の分類

低用量ピルはエストロゲン(卵胞ホルモン)と黄体ホルモンを組み合わせた薬で、排卵を抑え、子宮内膜を薄く保ち、子宮頸管粘液を変化させることで妊娠を防ぎます。

種類の違いを生むのは主に黄体ホルモンの性質です。
黄体ホルモンにはそれぞれ作用のバランスの違いがあり、避妊の安定性や、肌・むくみなどへの影響の出方が変わると考えられています。

黄体ホルモンの作用

  • 黄体ホルモン作用:排卵を抑える中心的な働き。
  • 男性ホルモン様作用:皮脂分泌などに影響する作用。
  • 抗アンドロゲン作用:男性ホルモン様作用を抑える働き。

世代ごとの黄体ホルモンの特徴

  • 第2世代(レボノルゲストレル):黄体ホルモン作用が強く、避妊の安定性に実績
  • 第3世代(デソゲストレル):男性ホルモン様作用が比較的弱い
  • 第4世代(ドロスピレノン):抗アンドロゲン作用や水分をため込みにくい特性

副作用の出やすさや血栓症リスクは、年齢・喫煙歴・体質など複数の要因によって変わります。
世代だけで安全性を判断するのではなく、医師の診察を前提に選ぶことが重要です。

代表的な低用量ピルの商品一覧

現在主流の低用量ピル
商品名 世代 主な特徴 保険/自費区分
トリキュラー 第2世代 避妊目的で広く使用される代表的な種類(三相性) 自費(避妊目的)
マーベロン 第3世代 一相性でホルモン量が一定。肌トラブルが気になる人に検討される。 自費
ファボワール 第3世代 マーベロンのジェネリック医薬品 自費
ヤーズ 第4世代 PMS・月経困難症の治療に用いられる超低用量ピル 保険適用(治療目的)
ヤーズフレックス 第4世代 連続投与が可能なタイプ 保険適用(治療目的)
ジェミーナ 第4世代 月経困難症治療で処方されることがある 保険適用(治療目的)

低用量ピルの種類は、世代・成分・目的という複数の軸に比較するとわかりやすいです。
まずは全体像を把握したうえで、目的・悩み別に自分にあった低用量ピルの候補を見つけましょう。

ピルの種類で悩んだときは、医師に相談するのが一番です。最近ではオンラインで診療~処方まで完結できるサービスも多く、気になるピルの話をきくだけでも無料で対応してもらえることもあります。

目的・悩み別でみる低用量ピルの種類

低用量ピルの種類は目的・悩み別で選ぶ

低用量ピルは世代だけで選ぶのではなく、自分が解決したい悩みを軸に整理することが重要です。
避妊を安定させたいのか、肌トラブルを改善したいのか、PMSや生理痛を軽減したいのかによって、検討されやすい種類は異なります。

代表的な目的ごとに選ばれやすい低用量ピルの種類を整理します。

避妊を主目的にする場合の種類

避妊を最優先に考える場合は、使用実績が豊富な第2世代が第一候補として挙げられることが多いです。

低用量ピルは排卵を抑制し、子宮内膜を薄く保つことで妊娠を防ぎます。どの世代でも正しく服用すれば高い避妊効果が期待できますが、第2世代(レボノルゲストレル配合)は長年の使用実績があります。

避妊を主目的とする場合に検討される種類
世代 特徴 代表例
第2世代 避妊効果の安定性に実績がある トリキュラー/アンジュ/ラベルフィーユ

避妊を重視する場合は、第2世代を軸に、副作用の出方や他の症状とのバランスを考えて種類を選びます。

ニキビ・肌荒れが気になる人向けの種類

ニキビや周期性の肌トラブルが気になる場合は、男性ホルモン様作用が比較的弱い第3世代が検討されます。

男性ホルモン様作用が強いと皮脂分泌が増えやすくなりますが、第3世代(デソゲストレル配合)はその作用が比較的弱いとされています。

第4世代にも抗アンドロゲン作用がありますが、むくみやPMS症状の改善を主目的に処方されることが多いため、肌改善を主軸に考える場合は第3世代が第一候補となることが一般的です。

肌トラブルが気になる場合に検討される種類
世代 特徴 代表例
第3世代 男性ホルモン様作用が比較的弱い マーベロン/ファボワール
第4世代 抗アンドロゲン作用がある ヤーズ/ジェミーナ

効果の実感には個人差があるため、肌症状だけでなく他の不調も含めて総合的に判断します。

PMS・生理痛(月経困難症)に用いられる種類

生理痛やPMSの改善を目的とする場合は、第4世代や治療用LEP製剤が検討されます。

生理痛は、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンという物質が多くなることで子宮が強く収縮し、痛みが生じると考えられています。
低用量ピルは排卵を抑え、子宮内膜の増殖を抑制することで、この物質の産生を減らし、痛みを軽減する作用があります。

一方、PMSは排卵後に起こるホルモンの急激な変動が関与するとされています。
低用量ピルは排卵を抑えることでホルモン変動を小さくし、症状の安定を図ります。

なかでも第4世代(ドロスピレノン配合)は水分をため込みにくい特性があり、むくみや体重増加感が強いタイプのPMSに検討されることがあります。
月経困難症の治療目的で処方される場合は、保険適用となることもあります。

PMS・月経困難症で検討される種類
世代・区分 特徴 代表例
第4世代 むくみやPMS症状の緩和に用いられることがある ヤーズ/ヤーズフレックス
LEP製剤 月経困難症の治療目的 ルナベル/ジェミーナ

生理日移動や周期コントロール目的の種類

生理は、ピルを飲んでいるあいだは起こりにくく、飲むのをやめたときに出血が起こる仕組みです。
そのため、休薬期間を遅らせて飲み続けることで、生理を後ろにずらすこともできます。

一相性は1シートすべて同じホルモン量なので延長しやすく、三相性はホルモン量が段階的に変わるため調整時に注意が必要です。

周期コントロールで検討される種類
タイプ 特徴 代表例
一相性 ホルモン量が一定で延長しやすい マーベロン など
三相性 ホルモン量が変化するため調整に注意 トリキュラー など

なお、生理日を一時的にずらす目的では中用量ピルが使われることもあります。自己判断で服用方法を変えず、必ず医師に相談しましょう。

低用量ピルの世代や相性(そうせい)とは?

低用量ピルの種類を比較するうえでよく出てくるのが世代と相性(そうせい)というです。
世代は黄体ホルモンの種類による分類、相性は1シート内のホルモン量の変化パターンを指します。

第1世代〜第4世代の違いを解説

低用量ピルの世代ごとの特徴

世代は、配合されている黄体ホルモンの開発順による分類です。第1世代から第4世代まであり、改良を重ねながら現在の製剤が開発されてきました。

世代が進むにつれて、男性ホルモン様作用を弱めたり、水分をため込みにくい特性をもたせたりといった改良が加えられています。ただし、新しい世代ほど優れているという単純な関係ではありません。

世代ごとの特徴
世代 特徴 現在の位置づけ
第1世代 初期に承認されたタイプ 現在は処方数は限定的
第2世代 避妊の安定性に実績 現在も主流の一つ
第3世代 男性ホルモン様作用が比較的弱い 肌トラブルを考慮する場合に検討
第4世代 抗アンドロゲン作用・むくみ軽減特性 PMSや月経困難症治療で使用

現在は第2世代〜第4世代が中心となっており、目的や体質によって使い分けられています。

一相性・三相性の違い

低用量ピルの相性ごとの特徴

相性(そうせい)とは、1シート内のホルモン量の変化パターンを指します。

一相性は1シートすべて同じホルモン量で構成されており、ホルモンが一定に保たれる設計です。
三相性はホルモン量が3段階で変化し、自然な周期に近づける考え方に基づいています。

一相性と三相性の比較
タイプ 特徴 向いているケースの例
一相性 ホルモン量が一定で管理しやすい 生理日調整を行う場合など
三相性 ホルモン量が段階的に変化 より自然な周期を意識したい場合

副作用の出方には個人差があり、一相性と三相性のどちらが合うかは体質によって異なります。
飲みやすさや生活スタイルも含めて、医師と相談しながら選ぶことが大切です。

生活スタイルや不安から考える低用量ピルの選び方

生活スタイルや不安から考える低用量ピルの選び方

低用量ピルは目的だけでなく、「無理なく続けられるか」という視点も重要です。副作用への不安や、飲み忘れの心配など、服用にあたって気になる点を考慮することで、自分に合う種類を選びやすくなります。

副作用が心配な人が知っておきたい種類の特徴

低用量ピルの副作用には、吐き気や頭痛のようにホルモン量に影響されやすいものと、ニキビやむくみのように黄体ホルモンの特性に影響されやすいものがあります。

エストロゲン量が少ない超低用量ピルは、吐き気などが不安な場合に検討されることがあります。
一方で、男性ホルモン様作用が比較的弱い第3世代は、ニキビの悪化を避けたい場合に選択肢となることがあります。

副作用の傾向から検討される種類

  • トリキュラー/アンジュ(第2世代):長年の使用実績があり、副作用の傾向が把握されている製剤として選ばれることが多い。
  • マーベロン/ファボワール(第3世代):男性ホルモン様作用が比較的弱く、ニキビの悪化を避けたい場合に検討される。
  • ヤーズ/ヤーズフレックス(超低用量):エストロゲン量が少なく、吐き気などの症状を抑えたい場合に検討されることがある。

副作用の出方には個人差があるため、過去に強い症状が出た経験がある場合や、特に不安に感じる症状がある場合は、その内容も踏まえて種類を検討します。

飲み忘れが心配な人に向く種類

28錠タイプは休薬期間も偽薬を服用するので休薬期間明けの飲み忘れを防げる

低用量ピルは通常、21日間服用した後に7日間の休薬期間を設ける設計になっており、休薬期間に月経に似た出血が起こります。

ただし、休薬期間が終わった後に次のシートを飲み始めるタイミングを忘れると、避妊効果が低下するリスクがあるため、飲み忘れが不安な場合は、休薬期間中も偽薬(プラセボ)を含めて毎日服用する28錠タイプが推奨されます。

21錠タイプと28錠タイプの比較
タイプ 特徴
21錠タイプ 21日間服用し、7日間の休薬期間がある
28錠タイプ 偽薬を含み、毎日継続して服用する設計

28錠タイプは「飲まない期間」をつくらないため、シートの切り替え忘れを防ぎやすいという特徴があります。

なお、飲み忘れが続くと排卵抑制が不十分になる可能性があるため、服用管理に不安がある場合は形式選びが重要になります。

成分や避妊効果に違いはないため、生活リズムに合わせて継続しやすい形式を選ぶことがポイントです。

低用量ピルの種類によって値段は変わる?保険と自費の違い

低用量ピルには保険適用できる種類と自由診療のみの種類がある

低用量ピルは世代や製剤によって特徴が異なりますが、「第3世代だから高い」「第2世代だから安い」といった単純な違いはありません。

実際に価格差が生じるのは、保険適用か自費診療かという区分や、先発薬かジェネリックかといった要素です。

低用量ピルのうち保険適用になる種類

低用量ピルの中でも、月経前困難症や子宮内膜症の治療目的で処方されるLEP製剤は健康保険の対象になります。

保険適用になるLEP製剤

  • ルナベル
  • フリウェル
  • ヤーズ
  • ジェミーナ

LEP製剤は、医師の診断があった場合に3割負担で処方されます。
一方、避妊や美容目的で処方されるOC(経口避妊薬)は保険適用外となります。

同じ成分でも価格が違う?先発薬とジェネリックの違い

低用量ピルは世代だけでなく、先発薬とジェネリック(後発薬)という製剤の違いによっても価格が変わります。

ジェネリック医薬品は、先発薬と同じ有効成分・効果を持ちながら、開発コストが抑えられているため価格が低く設定されているのが特徴です。

代表的な先発薬とジェネリックの対応

  • トリキュラー → ラベルフィーユ
  • マーベロン → ファボワール
  • ルナベル → フリウェル

同じ世代・同じ成分でも、先発かジェネリックかによって毎月の費用は変わります。

具体的な価格差や1ヶ月あたりの費用相場はこちらの記事で詳しく解説しています。

低用量ピルの種類の変更と副作用への対処法

低用量ピルは種類によって体感が異なり、すべての人に最初から合うとは限りません。副作用が出た場合でも、種類を変更することで改善するケースは少なくありません。

我慢して続けるのではなく、「どのタイミングで見直すべきか」「どう切り替えるのか」を理解しておくことが、安全に服用を続けるうえで重要です。

吐き気や不正出血が続く場合の種類の見直しタイミング

低用量ピルを飲み始めてから1〜3ヶ月程度は、体がホルモン変化に慣れる適応期間とされています。この間に軽い吐き気や不正出血がみられることは珍しくありません。

ただし、症状が長期的に続いている場合や強い症状がみられる場合は種類の見直しを検討する目安になります。

種類の変更が推奨されるケース

  • 3シート以上服用しても症状が改善しない
  • 日常生活に支障が出るほど症状が強い
  • 頭痛や気分変調が継続している

適応期間を過ぎても症状が続く場合は、体質との相性が合っていない可能性があります。

血栓症リスクを避けるための定期検診と医師への相談

低用量ピルの重大な副作用として血栓症があります。発症頻度は高くありませんが、注意が必要です。

血栓症の初期症状

  • 片足の強い痛みや腫れ
  • 突然の激しい頭痛
  • 息苦しさや胸の痛み

血栓症の初期らしい症状が出た場合は服用を中止し、速やかに医療機関を受診が必要です。

喫煙や肥満、長時間の座位などはリスクを高める要因とされているため、定期的な診察を受けながら安全に服用を継続しましょう。

自分に合う種類の低用量ピルを見つけるために

低用量ピルは、第1〜第4世代という成分の違いだけでなく、目的や生活スタイルによっても選び方が変わります。

ニキビやPMS、生理痛の改善を重視するのか、避妊を最優先にするのか。副作用への不安や飲み忘れの心配はあるのか。こうした判断軸を整理することで、自分に合う種類が見えてきます。

万が一合わないと感じた場合も、種類を変更できる選択肢があります。特徴を理解したうえで選ぶことが、無理なく続けるための第一歩です。