GYMメディカルクリニック

アフターピルを飲んだら大丈夫?

ピル処方

アフターピルを飲んだら大丈夫?

緊急避妊薬アフターピルは避妊のできなかった性交渉の後、一定時間内に服用することで望まない妊娠を回避することができる薬剤として、最近は広く認知されつつあります。

アフターピルの避妊率と妊娠阻止率

アフターピルの種類と避妊率・妊娠阻止率

なるべく早い服用が重要!

もし24時間以内に服用することができれば、排卵日付近の性行為に対してでも、ヤッぺ法は77%、ノルレボは95%と、さらに妊娠阻止率が高くなるため、どちらの方法もできる限り早く服用することが重要なポイントになります。
一方で、エラワンは72時間以内に服用した場合も120時間以内に服用した場合も変わらず98%という高い妊娠阻止率が期待できるとされています。

なお、ヤッペ法は日本で古くから選択されてきたもので、費用が抑えられる点はメリットですが、約50%の人に強い吐き気、嘔吐等の副作用が起こりやすく、他と比べてやや避妊成功率で劣ることからも、現在はあまり推奨してはおりません。

アフターピルはこのように作用する

01排卵を抑制する

排卵が行われる前の卵胞期にアフターピルを投与すると、正常な排卵が抑制され、約80%の女性は、5~7日程度、排卵が遅くなることが分かっています。排卵が起こらないと、その間に性器内に侵入しているすべての精子は受精の機会を失うため、妊娠を防ぐことができると考えられています。

02子宮内膜を急激に変化させる

万一、受精が行われて受精卵になった場合には、子宮内膜の増殖を抑えて薄い状態にすることで、受精卵を着床させないようにします。
ただし、避妊効果が期待できるのは、あくまでも妊娠が成立する前の状態までであり、すでに受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立してしまうと、アフターピルの効果は期待できません。

妊娠回避成功の判定方法

服用後に生理のような出血が確認できた段階で避妊に成功したことにはなりますが、アフターピルの服用はホルモンバランスを急激に変化させることになり、次の生理がいつか分からなくなってしまいがちです。

仮に出血があっても着床出血や不正出血との判別が難しいケースがありますので、出血の有無に関わらず、アフターピルの服用から3週間後に、市販の検査薬での確認をしておく必要があります。また、結果が判明するまでのの性交渉に対しての避妊効果はないため、性交渉も避けておきましょう。

アフターピルと低用量ピルの違いを知っていますか?

ところで、この緊急避妊薬であるアフターピルと低用量ピルの違いはご存じでしょうか。この2つが混同されている方がまだ多いのではないかと思われます。
まず、「避妊に失敗したらアフターピルを飲めば良い。」というご認識の方も多いかもしれませんが、これはアフターピル本来の使用目的とは異なります。

アフターピル本来の使用目的とは

あまり知られてはいないかもしれませんが、アフターピルはあくまでも「一時的に妊娠を回避するため」に使用するためのものであり、日常的な避妊に失敗した時の為の救済措置として用意されているものではありません。

アフターピルの妊娠阻止率は100%ではない

よって、アフターピルにより妊娠を回避できる確率はそれなりには高いものの、100%ではありませんし、確実な避妊を叶えたいのであれば、何かあってから緊急避妊を行うのではなく、低用量ピルを日頃から継続服用する。もしくは子宮内避妊器具の挿入が望ましいです。

「避妊に失敗したらアフターピル」ではなく、「確実に避妊をしたいのであれば、日頃から低用量ピル(もしくは子宮内避妊器具)」、飲み忘れなどがあればアフターピル)」という認識を、ぜひ持ちましょう。

アフターピルが必要なら、普段から避妊率ほぼ100%の低用量ピルを!

緊急的に服用するアフターピルは受精卵を着床させないようにすることはできても、確実に排卵を抑制できるわけではありませんし、既に排卵後のタイミングで服用する場合は避妊成功率も下がってしまいます。
その点、低用量ピルの継続服用をしていれば排卵そのものが確実に抑制される為、正しく服用している限り、避妊率は常にほぼ100%に近いものになります。
そのような理由からも今、妊娠を望む環境になく、もし避妊に失敗したらアフターピルが必要な状況なのであれば、日頃から低用量ピルを服用することが大切なのです。

低用量ピルには避妊以外にも多くのメリットがある

また、低用量ピルの継続服用は女性主体の確実な避妊以外にも、月経痛や子宮内膜症の症状改善、子宮内膜症の発症リスクの低下、卵巣癌、子宮体癌、大腸癌の予防、にきび・肌荒れ改善、、PMS・PMDDの症状改善など多くのメリットがあります。

自然な月経の繰り返しによる子宮・卵巣の負担を軽減することにより、将来の病気予防も兼ねられますので、当院では、妊娠を望む環境になるまでの間、低用量ピルの服用を継続することをお勧めしております。