子宮頸がん検診(細胞診)の結果によって、以下の場合に「要精密検査」となります。
要精密検査となる主な結果
ASC-US(意義不明な異型扁平上皮細胞)
軽度の細胞異常があるが、原因が明確ではありません。
HPV検査を追加し、高リスク型HPV陽性なら精密検査となります。
ASC-H(高異型度異型扁平上皮細胞)
より高度な異常の可能性があり、精密検査が推奨されます。
LSIL(軽度扁平上皮内病変)
軽度の異形成(前がん病変)が疑われます。
HPV感染の影響が大きく、一部は自然消失することもあります。
精密検査(コルポスコピー+組織診)が必要になります。
HSIL(高度扁平上皮内病変)
中等度~高度異形成の可能性があり、がんへの進行リスクが高いです。
精密検査(コルポスコピー+組織診)が必要になります。
SCC(扁平上皮がん)
すでにがん細胞が存在する可能性が高いです。
速やかに精密検査(コルポスコピー+組織診)と治療方針の決定が必要です。
AGC(異型腺細胞)
子宮頸部や子宮内膜の腺細胞に異常が見られる状態です。
精密検査(コルポスコピー+組織診)に加え、子宮内膜の検査も必要になることがあります。
精密検査とは(コルポスコピー検査とねらい組織診)
コルポスコピー・ねらい組織診は、子宮頸部(子宮の出口)の病変が、どの程度進行しているのかを調べる検査です。
コルポスコピー検査は、コルポスコープという拡大鏡を使って子宮頸部を観察する検査のことで、コルポスコープ観察時に病変部分の診断のために行う検査を組織診といいます。
組織診は異常が疑われる部分の頸部組織を数ミリ大に切り取って病理診断を行います。
検査にかかる時間は5~10分程度です。生理前、生理中は避けてご来院ください。
検査手順
01クスコ(金属製の診察器具)を腟内に挿入します。
02子宮頸部(子宮の出口)に酢酸をつけ、病変を見やすくします。
03コルポスコープという拡大鏡を使って、子宮頸部のどこに病変があるか、どのような状態かを調べます。
04病変部から1ヶ所あたりゴマ粒くらいの大きさで数ヶ所の組織を生検(採取)します。生検する際に軽い痛みを感じることがあります。採取した病変部は病理検査(顕微鏡で精密に調べる検査)に提出します。
05生検後の子宮頸部からは出血するので、止血のために綿球やガーゼ等で圧迫止血を行います。また、止血効果のある粉末状の薬剤を腟内に塗布します。腟の中に2枚連結したガーゼ(またはタンポン)を詰めます。出血がごく少量の場合や、ガーゼ(またはタンポン)の挿入によって痛みを強く感じる方の場合はガーゼ(またはタンポン)を挿入しないこともあります。
当グループだからできること
当グループでは、患者様の利便性向上のために、子宮頸がん検査や子宮頸がん精密検査(コルポスコピー)の結果をWEBで確認することができます。
コルポスコピーは婦人科や子宮頸がん検診を行っていても実施できない医療機関が多くあります。
当グループではコルポスコピーを積極的に実施しておりますので、精密検査を検討されている方はご相談ください。
子宮頸がん検診で「要精密検査」の結果でも過度に不安になることはありません。「要精密検査」は異常の可能性はあるけれど、必ずしもがんとは限りませんし、早期発見・早期治療で予後が良好なことが多いので、まずは精密検査を実施している婦人科を受診しましょう。
