GYMメディカルクリニック

気になるピルの疑問【よくある質問④】ピルの避妊効果としてどのくらいの確率で避妊できるの?(成功率・避妊のメカニズム・他の避妊法との比較・避妊効果が落ちる原因)

ピル処方

ピルは排卵をストップし、子宮内膜の増殖を抑える作用があります。

排卵は妊娠を希望するとき以外は必要ないので、ピルで人工的に排卵を止めることは特に問題ありません。むしろ排卵や生理を繰り返すことは女性の身体にとって大きな負担となり、子宮や卵巣の病気の原因にもなることから、ピルの服用で排卵を抑えることは子宮内膜症や卵巣がんをはじめとする婦人科系疾患の予防にも役立つと考えられています。

(現代女性は出産回数が少なく生理期間も長くなるので、子宮への負担が大きいといえます。)

ピルには避妊以外にも女性の強い味方となる以下のような副効果が期待できます。

ピルを上手く活用することで、女性のQOL向上にも大きく役立ちますが、ピルの普及率は10%台とまだまだ低く、多様なメリットがあるのは分かっていても、ピルを使ってみたいけど不安感がある人も多いのではないでしょうか。

そこでピルに関することで特に気になる関心事をまとめてみました。

今回は、

【4】ピルの避妊効果としてどのくらいの確率で避妊できるの?(成功率・避妊のメカニズム・他の避妊法との比較・避妊効果が落ちる原因)

について解説します。

ピルの避妊効果について、成功率・メカニズム・他の避妊法との比較・失敗しやすいケースを詳しく解説します。

1)ピルの避妊成功率

ピルの避妊効果は非常に高く、正しく使用すれば99%以上の確率で妊娠を防ぐことができます。

使用方法避妊成功率
理想的な使用(毎日決まった時間に服用)99.7%
一般的な使用(飲み忘れや時間ズレがある場合)91%

ポイント

2)ピルの避妊メカニズム

ピルは3つの働きで避妊効果を発揮します。

これらの働きにより、排卵・受精・着床のすべてを防ぐため、非常に高い避妊効果が得られます。

3)他の避妊方法との比較

[主な避妊法ごとの成功率(一般的な使用の場合)]

避妊法避妊成功率特徴
低用量ピル正しく使えば99.7%毎日服用が必要
コンドーム82%正しく使わないと避妊失敗しやすい
IUD(子宮内避妊具)99%以上長期間(5~10年)使用可能。長期的に見ればピルより経済的。

【ピルの優位点】

4)ピルの避妊効果が低下するケース

ピルの効果を維持するために、以下の点に注意しましょう。

【避妊効果が落ちる主な原因】

【効果を保つための対策】

5)まとめ

ピルを正しく使えば、ほぼ100%の避妊が可能です。コンドームは性感染症予防として捉え、女性が主体的に望まない妊娠を避けるにはピルの服用をすることがとても大切です。

ピルは正しく服用すれば避妊効果として充分ですが、もし何らかの事情でピルの避妊効果が心配な方は超音波検査で子宮内膜の厚さや卵胞発育の有無をチェックし効果が維持されているか診断も可能です。不安な方はおひとりで抱え込まずお気軽にご相談ください。

ピルの何列目を服用しているか、飲み忘れ後の性交渉の有無、今回の飲み忘れ以外で正しく服用できていたか、などの様々な状況により、対処法が異なる場合がありますので、ピルに精通した医療機関をかかりつけにもち、不安があれば必ず相談しましょう。


次回は、

【5】ピルの服用が将来の妊娠に与える影響は?(ピルをやめた後の妊娠しやすさ・排卵はいつ再開?将来の妊娠に与えるメリット・やめた後に妊娠しづらいケースは?)

について解説します。