GYMメディカルクリニック

気になるピルの疑問【よくある質問⑥】他の薬との飲み合わせで注意すべきなのは?(避妊効果が低下する薬・併用注意の薬・サプリとの相性)

ピル処方

ピルは排卵をストップし、子宮内膜の増殖を抑える作用があります。

排卵は妊娠を希望するとき以外は必要ないので、ピルで人工的に排卵を止めることは特に問題ありません。むしろ排卵や生理を繰り返すことは女性の身体にとって大きな負担となり、子宮や卵巣の病気の原因にもなることから、ピルの服用で排卵を抑えることは子宮内膜症や卵巣がんをはじめとする婦人科系疾患の予防にも役立つと考えられています。

(現代女性は出産回数が少なく生理期間も長くなるので、子宮への負担が大きいといえます。)

ピルには避妊以外にも女性の強い味方となる以下のような副効果が期待できます。

ピルを上手く活用することで、女性のQOL向上にも大きく役立ちますが、ピルの普及率は10%台とまだまだ低く、多様なメリットがあるのは分かっていても、ピルを使ってみたいけど不安感がある人も多いのではないでしょうか。

そこでピルに関することで特に気になる関心事をまとめてみました。

今回は、

【6】他の薬との飲み合わせで注意すべきなのは?(避妊効果が低下する薬・併用注意の薬・サプリとの相性)

について解説します。

ピルと他の薬やサプリの飲み合わせについて、避妊効果が低下する薬・併用注意の薬・サプリとの相性を詳しく解説します。

1)ピルの避妊効果を下げる薬

以下の薬はピルの効果を弱める可能性があるため、併用時は注意が必要です。

避妊効果を低下させる可能性がある薬

薬の種類考えられる影響
抗生物質ピルの代謝を促進し、血中濃度が低下。
腸内細菌叢の変化に伴うピルの吸収率の低下。
抗てんかん薬ピルの効果を弱め、避妊失敗のリスク。
抗HIV薬ピルのホルモン代謝を促進し、避妊効果を低下。
抗真菌薬ピルの代謝を促進し、効果を減少。
セントジョーンズワート(ハーブ)ピルの分解が早まり、避妊効果が低下。

併用時の対策

当グループでは、避妊効果を落とす薬剤でガイドライン以外のすべての抗生剤併用時は、念のためピル単独実薬連続7錠服用するまで避妊に気を付けていただく指導をしています。

2)ピルと併用注意の薬

避妊効果には影響がないものの、副作用のリスクが高まる可能性がある薬もあります。

併用に注意が必要な薬

薬の種類考えられる影響
血栓リスクを高める薬(例:ホルモン治療薬)血栓症のリスクが増加する可能性
降圧薬(高血圧の治療薬)血圧をさらに上昇させる可能性
抗うつ薬(SSRI・三環系抗うつ薬など)ピルのホルモンバランスに影響し、副作用が出ることがある
糖尿病薬血糖値のコントロールに影響を与える可能性

上記の薬を服用中の方は、事前に医師と相談を!

3)ピルとサプリの相性

サプリメントの中には、ピルの効果に影響を与えるものがあります。

影響がある可能性があるサプリ

サプリ成分考えられる影響
セントジョーンズワート(ハーブ)ピルの代謝を促進し、避妊効果を低下
ビタミンC(高用量(過剰摂取))血中ホルモン濃度を変化させ、吐き気などの副作用が強まる可能性
鉄サプリ(高用量(過剰摂取))吸収に影響を与えるが、大きな問題はなし

ピルとの相性が良いサプリ

4)まとめ

ピルを服用中に新しい薬やサプリを飲む際は、医師に確認するのが安心です。

過剰に気にすることはありませんが、ピルも薬なのでピルに精通した医療機関をかかりつけにもち、常に相談ができる状況(かかりつけの婦人科をもっておく)にしておくことはとても大切です。