GYMメディカルクリニック

気になるピルの疑問【よくある質問②】ピルの安全性(長期間使用しても問題ないの?健康への影響(メリット・デメリット)は?)

ピル処方

ピルは排卵をストップし、子宮内膜の増殖を抑える作用があります。

排卵は妊娠を希望するとき以外は必要ないので、ピルで人工的に排卵を止めることは特に問題ありません。むしろ排卵や生理を繰り返すことは女性の身体にとって大きな負担となり、子宮や卵巣の病気の原因にもなることから、ピルの服用で排卵を抑えることは子宮内膜症や卵巣がんをはじめとする婦人科系疾患の予防にも役立つと考えられています。

(現代女性は出産回数が少なく生理期間も長くなるので、子宮への負担が大きいといえます。)

ピルには避妊以外にも女性の強い味方となる以下のような副効果が期待できます。

ピルを上手く活用することで、女性のQOL向上にも大きく役立ちますが、ピルの普及率は10%台とまだまだ低く、多様なメリットがあるのは分かっていても、ピルを使ってみたいけど不安感がある人も多いのではないでしょうか。

そこでピルに関することで特に気になる関心事をまとめてみました。

今回は、

【2】ピルの安全性(長期間使用しても問題ないの?健康への影響(メリット・デメリット)は?)

について解説します。

1)長期間使用しても問題ない?

基本的には安全とされており、健康な女性が適切に使用すれば長期間の服用が可能です。

世界保健機関(WHO)や日本産科婦人科学会も長期間の服用を推奨しています。

40代以降も健康状態に問題がなければ使用可能です(ただし定期的な検査が推奨される)。

ただし、以下の点には注意が必要です。

2)健康への影響(メリット・デメリット)

【メリット(健康によい影響)】

(1)女性特有の病気のリスクを減らす

(2)生理トラブルの改善

(3)更年期の症状を軽減

【デメリット(リスクや注意点)】

(1)血栓症のリスク

(2)乳がんリスクについて

(3) 肝機能への影響(まれ)

【ピルを長期間使用する際のポイント】

  • 定期的な健康チェックを受ける(血圧・血液検査・乳がん検診)
  • リスクがある人は、エストロゲンを含まない「ミニピル」に変更も検討
  • 40代以降はホルモン補充療法(HRT)との併用も選択肢に

長期間の使用は基本的に安全で、むしろ健康メリットが多いです。血栓症や乳がんリスクを考慮し、定期的な検診が重要です。喫煙者やリスクの高い人は、種類を選ぶことで安全性を高められます。

ピルの長期使用は、正しい知識を持ち、医師と相談しながら行えば、安全に続けることができます。


次回は、

【3】生理への影響はあるの?(生理周期の安定、経血量の変化、生理痛の軽減)

について解説します。