GYMメディカルクリニック

気になるピルの疑問【よくある質問①】ピルの副作用(吐き気、頭痛、体重増加、血栓リスク、性欲低下など)

ピル処方

ピルは排卵をストップし、子宮内膜の増殖を抑える作用があります。

排卵は妊娠を希望するとき以外は必要ないので、ピルで人工的に排卵を止めることは特に問題ありません。むしろ排卵や生理を繰り返すことは女性の身体にとって大きな負担となり、子宮や卵巣の病気の原因にもなることから、ピルの服用で排卵を抑えることは子宮内膜症や卵巣がんをはじめとする婦人科系疾患の予防にも役立つと考えられています。

(現代女性は出産回数が少なく生理期間も長くなるので、子宮への負担が大きいといえます。)

ピルには避妊以外にも女性の強い味方となる以下のような副効果が期待できます。

ピルを上手く活用することで、女性のQOL向上にも大きく役立ちますが、ピルの普及率は10%台とまだまだ低く、多様なメリットがあるのは分かっていても、ピルを使ってみたいけど不安感がある人も多いのではないでしょうか。

そこでピルに関することで特に気になる関心事をまとめてみました。

今回は、

【1】ピルの副作用(吐き気、頭痛、体重増加、血栓リスク、性欲低下など)

について解説します。

ピルの副作用には軽度なものから重大なものまでさまざまあります。

1)吐き気・嘔吐

【原因】

【対策】

2)頭痛・片頭痛

【原因】

【対策】

3)体重増加・むくみ

【原因】

【対策】

4)血栓症リスク(深部静脈血栓症、肺塞栓症など)

【原因】

【リスクが高い人】

【症状(要注意!)】

【対策】

血栓症リスクは特に気にされる方が多いですが、ピルの副作用で血栓ができる確率は「0.05%」程度です。やっぱり血栓ができる可能性があるんだ、と思われる方もいるかもしれませんが、実は、妊婦さんはこの確率の約7倍の確率で血栓ができるといわれています。

血栓ができることを気にして妊娠される方はあまりいらっしゃらないと思います。過度に気にし過ぎないことが大切です。

5)乳房の張り・痛み

【原因】

ホルモンの影響で乳腺が刺激される。

【対策】

数週間で慣れることが多い、痛みが続く場合は医師に相談。

6)気分の落ち込み・抑うつ

【原因】

ホルモンが脳内のセロトニンに影響する。

【対策】

男性ホルモン活性の抑制に起因することから、第2世代ピル(ラベルフィーユなど)への変更を推奨。

7)性欲の低下

【原因】

ホルモンバランスの変化によるもの。

【対策】

男性ホルモン活性の抑制に起因することから、第2世代ピル(ラベルフィーユなど)への変更を推奨。

8)肝機能への影響(まれ)

【原因】

肝臓でのホルモン代謝による負担。

【対策】

定期的に検査を受ける。

気になる副作用があれば、ピルに精通したかかりつけの婦人科をもって、相談しながら自分に合うピルを選ぶことが大切です!


次回は、

【2】ピルの安全性(長期間使用しても問題ないの?健康への影響(メリット・デメリット)は?)

について解説します。