GYMメディカルクリニック

生理痛やPMS(月経前症候群)は“我慢しない”で。婦人科でできる対処法と受診の流れ

生理のつらさを「我慢」していませんか?

毎月のように訪れる生理。そのたびにお腹が痛くなったり、気分が落ち込んだりしても、「これくらいは普通」「体質だから仕方ない」と我慢していませんか?

実は、強い生理痛や生理不順、PMS(月経前症候群)は“よくあること”ではありますが、“放っておいていいこと”ではありません。

厚生労働省の運営している働く女性の心とからだの応援サイトの専門家コラム【月経調査とその実態・リスク、対策案(※)】では、月経痛においては7割以上が「ある」と回答、さらに「鎮痛剤の服用がないと過ごせない痛み」を抱えるものは3割を超える調査結果が出ています。

しかし、実際に婦人科を受診している人はまだ少なく、「市販薬で乗り切る」「休むわけにもいかない」と無理をしてしまうケースが多いのが現状です。

本記事では、生理の悩みを抱える女性が知っておきたい原因・改善法・婦人科でできることを、わかりやすく解説します。

(※)月経調査とその実態・リスク、対策案【出所】

https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-1.html

生理の悩み、よくある症状と原因

生理痛(強い下腹部痛や腰痛)

生理痛は、子宮が収縮する際に分泌される「プロスタグランジン」という物質の影響で起こります。

この物質が多く分泌されると、子宮の収縮が強くなり、痛みが増します。

「毎月つらい」「鎮痛剤を飲まないと動けない」など、日常生活に支障が出る場合は、月経困難症(※)という診断名がつくこともあります。

また、子宮内膜症(※)や子宮筋腫などの病気が原因で痛みが強く出ることもあります。

「鎮痛薬が効かない」「回を重ねるごとに痛みが強くなる」場合は、婦人科での検査が必要です。

月経困難症について詳しく知りたい方はコチラ

https://gyn-md.jp/menu/woman-issue/menorrhagia/

Colum:子宮内膜症ってどんな病気?

https://gyn-md.jp/column/what-is-endometriosis/

生理不順(周期の乱れ)

生理周期が25〜38日より大きくずれる場合は「生理不順」と呼ばれます。

ストレス・過労・体重変動・ホルモンバランスの乱れなどが原因ですが、排卵障害や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が隠れていることもあります。

周期の乱れが続くと、将来的な妊娠にも影響するため、早めの相談が安心です。

PMS(月経前症候群)・PMDD(月経前不快気分障害)

生理前のイライラ・落ち込み・眠気・頭痛などが出るのがPMS。

特に気分の波が強く、生活に支障を感じる場合はPMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあります。 これらは「性格」ではなく、ホルモン変動による一時的な心身の反応です。医師のサポートで軽減が可能です

体質だから仕方ない”は間違い?医療でできる改善方法

ピル

ホルモンバランスを整え、生理痛やPMSを軽くする代表的な方法です。

ピルは排卵をストップし、子宮内膜の増殖を抑える作用があります。

排卵は妊娠を希望するとき以外は必要ないので、ピルで人工的に排卵を止めることは特に問題ありません。むしろ排卵や生理を繰り返すことは女性の身体にとって大きな負担となり、子宮や卵巣の病気の原因にもなることから、ピルの服用で排卵を抑えることは子宮内膜症や卵巣がんをはじめとする婦人科系疾患の予防にも役立つと考えられています。

(現代女性は出産回数が少なく生理期間も長くなるので、子宮への負担が大きいといえます。)

ピルには避妊以外にも女性の強い味方となる以下のような副効果が期待できます。

  • 生理痛・過多月経の緩和
  • 生理不順の改善
  • 月経前症候群(PMS)の緩和
  • 大人ニキビ・多毛改善
  • 更年期症状・プレ更年期の改善
  • 卵巣がん・子宮体がんの予防
  • 月経移動(生理日のコントロール)

保険適用のピルもあり、ジェネリックであれば1シート600円~と経済的な負担も抑えて無理なく継続できます。(ピルのオンライン処方を行っているプラットフォームでは、本来保険適用が可能なピルも自費で処方しているところがほとんどなので、当院に一度ご相談ください。)

保険適用可能なピル

ヤーズ、ドロエチ、ヤーズフレックス、ルナベル、フリウェル、ジェミーナ、アリッサ

ピルについて詳しく知りたい方はコチラ

https://gyn-md.jp/menu/pill-prescription/

漢方薬

冷えやストレス、自律神経の乱れなど、体質に合わせて処方されます。
「薬に抵抗がある」「自然に整えたい」という方にも人気の選択肢です。

ホルモン療法・IUS(ミレーナ®)

過多月経や重い生理痛に対しては、ホルモンを子宮内で放出するミレーナ®(IUS)という治療も選べます。

全身ではなく局所的に作用するため、ピルが合わない方にも向いています。

ミレーナ®は、過多月経や月経困難症の方であれば、保険適用になります。保険適用であれば、概ね11,000~12,000円程度で挿入できます。

ミレーナ®は出産経験がないと対応できない医療機関が多いですが、当グループは局所麻酔(無料)併用で対応可能です。 ピルの飲み忘れや副作用などが心配な方、ピルが合わない、禁忌の方でも選択できます。

ミレーナについて詳しく知りたい方はコチラ

https://gyn-md.jp/menu/reproductive-health/milena/

検査で原因を明らかにする

超音波検査や血液検査で、子宮内膜症・子宮筋腫・ホルモン異常などを確認します。

「原因がわからない不安」を解消することも、治療の第一歩です。

自治体検診や会社の検診で行う子宮頸がん検診だけでは、子宮の病気を見つけることはできません。子宮頸がん検診とあわせて超音波検査も定期的に受けることをおすすめします。

婦人科に相談するメリット

症状の「原因」が分かる

婦人科では、痛みや不調の根本原因を医師が客観的に見つけてくれます。

自分では「体質」と思っていたことが、実は治療で改善できるケースは多くあります。

医師のアドバイスで正しいケアができる

自己判断で鎮痛薬を使い続けたり、ネットの情報を鵜呑みにするよりも、医師の指導のもとで正しい対処をする方が安全です。

女性医師やオンライン診療の選択肢

最近では女性医師が在籍するクリニックや、オンライン診療で自宅から相談できるサービスも増えています。

「恥ずかしい」「時間が取れない」と感じていた方にも、受診のハードルが下がっています。

婦人科受診が不安な方へ

診察の流れ

初診では、問診で症状・生理周期・服薬状況などを確認します。

その後、必要に応じて内診や超音波検査を行い、結果に基づいて治療方針を提案します。

01服装と持ち物

脱ぎ着しやすい服装、基礎体温表や服薬記録があるとスムーズです。

02受診のタイミングは生理中でもいいの?

生理に関係する症状があるとき、特に経血の色や量などの症状があるときは、生理中でなければ判断が難しい場合もあるので、不正出血、生理痛、経血の色・量の異常などの症状は、悩むことなく受診しご相談ください。

ただ、おりもの検査、子宮がん検診、性感染症の検査などの場合は、経血が影響して正確な結果が得られない可能性もあるため、生理の期間は避けたほうがよいでしょう。

03恥ずかしさや不安を減らすために

医師や看護師は毎日多くの女性を診ています。

自分の症状を話すことに遠慮はいりません。

「いつから」「どんなふうに」つらいのか、できるだけ具体的に伝えることが診察の助けになります。

婦人科の悩み事は女性にとって、どうしても話すこと自体が気まずくて、受診そのものに勇気がいるお気持ちはとてもよく分かります。

でも、女性ならではの何かしらの症状があったり、性にまつわる部分で心配事が生じたりすることは何もおかしいことではなく人として普通のことなので、そこに恥ずかしさや後ろめたさを感じる必要はまったくありません。

まとめ:生理の悩みは“治せる時代”へ

生理痛やPMS、生理不順は「我慢するもの」ではなく、「医療で整えられるもの」です。

ピルや漢方、ホルモン療法、ライフスタイル改善など、あなたに合った方法で快適な日常を取り戻すことができます。

婦人科は「病気の人だけが行く場所」ではありません。

少しでも不安や不快感を感じたら、気軽に相談してみてください。

“仕方ない”と思っていた毎日を、もっと軽やかに。

あなたの身体の声に、耳を傾けるきっかけになりますように。


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